植毛の特徴や、増毛との比較
植毛とは、髪の毛を頭皮に直接植え付けて増やす方法のことです。
日本で開発された技術ですが、現在は世界各国で植毛が行われており、画期的な薄毛治療法として注目を集めています。
具体的な施術内容は植える毛の種類や方法によって異なりますが、外科的な施術をともなう医療行為に該当することから、サロンで行うことはできず、専門のクリニックや医療機関で施術することになります。
ただ、植毛は健康保険が適用されない自由診療なので、クリニックや医療機関で施術しても費用はすべて自己負担になってしまうので注意が必要です。
植毛の特徴
植毛は髪を増やす方法の中でも特殊な医療行為にあたるため、特徴も他とは大きく異なっています。
仕上がりが自然
頭皮に直接毛を植え付けていくので、まるで自毛のような自然な仕上がりになります。
ベースも自分の頭皮なので違和感がなく、近距離で見られても植毛したと気づかれないところが大きなメリットです。
自毛として定着、成長する
自毛植毛の場合、定着に成功すると植え付けた毛が自毛として成長し始めます。
うまく行けばそのまま一生伸び続ける可能性があり、薄毛を根本から解消することができます。
植毛の種類
植毛は使用する毛や方法によってさまざまな種類に分類されています。
自毛植毛
自分の髪の毛を薄毛部分に植毛する方法です。
植毛する毛は主に薄毛になりにくい後頭部や側頭部から頭皮ごと採取します。
自分の毛を移植するのでアレルギーや拒絶反応が起こりにくく、定着率も高いことから、現在国内で行われている最もポピュラーな植毛方法として知られています。
人工毛植毛
自毛に似せて作った人工毛を移植する方法です。
頭皮から自毛を採取する手間が省けるため、体への負担が少ないところが一番のメリットとなっています。
ただ、人工毛は頭皮に定着することがないので、一度抜けると二度と生えてくることはありません。
また、体が人工毛を異物として認識してしまうと、アレルギーや拒絶反応を起こす可能性があります。
手植え
医師や看護師が採取したクラフト(株)を手作業で植え付けていく方法です。
頭皮の状態や毛流れなどを見極めながらていねいに植毛していくため、より美しい仕上がりとなります。
ただ、手作業で植毛していくのでかなりの時間がかかってしまうこと。また仕上がりは医師・看護師の技量によって異なるところがデメリットとして挙げられます。
機械植え
自動植毛機を使用して毛を植え付けていく方法です。
植毛機にはコンピューターが搭載されており、頭皮の形状などのデータをインプットすることで、自動的に毛を植え付けていくことができます。
手植えに比べてスピードが速いので施術時間を大幅に短縮できるほか、人間のように技量にバラつきがなく、均一な仕上がりになるところが主な長所となっています。
一方で、熟練の医師に比べると仕上がりがやや劣ること。また毛の定着率が悪くなるという報告もあることから、現在は手植えを導入しているクリニックの方が増えつつあります。
増毛との比較
植毛と増毛は施術したその日から髪の毛を増やせるという点は共通していますが、それ以外の面ではどのような違いがあるのでしょうか。
頭皮・体への負担
増毛は自毛またはベース素材に人工毛を結びつけて増やしていくため、頭皮に直接的な負担がかかることはほとんどありません。
対する植毛は、専用の器具を使用して毛を直接頭皮に植え付けていくため、頭皮への負担が大きく、傷跡も残りやすい傾向にあります。
特に自毛植毛の場合、後頭部や側頭部から自毛を採取しなければならないため、さらに大きな負担がかかってしまうことになります。
薄毛への効果
増毛は少ない負担で髪を増やすことが可能ですが、あくまで薄毛部分を人工毛でカバーするだけなので、薄毛そのものの進行を食い止めることはできません。
一方、自毛植毛の場合、うまく定着すれば自分の髪として成長するため、薄毛を根本から解消・改善することができます。